藤田医科大学 がん医療研究センター

お知らせ

光免疫療法(アルミノックス治療)とは

薬剤とレーザー光を用いたがんの新しい治療法で、①薬剤の投与②光の照射の2段階で構成されています。2021年1月に頭頸部がんに対してのみ保険適用になりました。従来、頭頸部がんの治療は、手術治療、放射線治療、薬物療法(化学療法、免疫療法など)の3パターンしかありませんでした。光免疫療法による「頭頸部アルミノックス治療」が新しい選択肢として注目されており、当院では東海中部地方では最大となる3名の施術医により治療を行っております。

本治療ではまず、がん細胞の表面に多く出現するタンパク質と結合する薬剤に光反応物質を結合させたアキャルックス®という薬剤を点滴静注します。1日程度で薬剤ががん細胞と結合するため、翌日にレーザー光を当てます。がん細胞に結合したアキャルックス®がレーザー光に反応することでがん細胞の細胞膜が破壊され、壊死を起こしてがん細胞が死滅していきます。正常な細胞に影響を与えずにがん細胞だけを狙い撃ちできるので、副作用が少なく、体力が低下した進行がんの患者さんにも適応があります。
治療効果が不十分であったり局所再発したりしても、4週間開ければ、最大4回まで同じ治療を繰り返すことが可能です。

対象のがんは?適応は?

切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌が対象となります。
化学放射線療法等の標準的な治療が可能な場合には、化学放射線療法等を優先することが定められています。よって、手術ができる方や、放射線療法などの治療が行われていない場合は、光免疫療法の対象とならない場合があります。

本治療を行うことが出できる条件として下記の条件を満たすことが必要です。
・外科的切除ができない
・化学放射線療法などの標準的な治療を受けたことがある
・組織型が扁平上皮癌である
・頸動脈など大血管への腫瘍浸潤がない
・全身麻酔が可能であり、レーザー光照射が可能な病変であること
・薬剤に対するアレルギーがないこと

メリット

今までに無かった新しいしくみによる局所の殺細胞効果が非常に高い治療であり、既存の治療法にて十分な効果が得られなかった病変に対して治療効果が期待できます。

デメリット

注意すべき副作用として出血、舌や喉の腫れ、痛み、アレルギー反応、光線過敏症や皮膚障害などが報告されています。

本治療を受けるには?

まずは主治医にご相談ください。
主治医等の医師により、適応の可否について医学的判断を行います。

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