藤田医科大学 がん医療研究センター

乳がんの手術を受けた患者さんへ

乳がんの手術後はどんな下着がいいですか?

■ 手術後すぐは、腕が自由に動かしづらいことや、診察があるため前開きの、着脱が簡単な物、肌に優しい素材で締め付けないもの、洗濯が楽な物が便利です。インターネットや病院の売店などでも購入できます。

■ 傷の状態が落ち着きましたら、その後の治療(放射線治療など)や生活状況に合わせ、カップ付きキャミソールや綿のタンクトップなどの楽な物、肌に優しいものから、体形に合わせてカットできるもの、縫い代がないものなどお好みに合わせて様々な商品があります。
当院のブレストセンターやがん看護外来ではパンフレットや試供品の紹介、当院の乳がん看護認定看護師による相談を行っています。

乳房全摘術を受けました。胸の形をカバーしたいのですが何かよい方法はありますか?

■ 胸の形をカバーするだけでなく、体のバランスを保つため、パッドが使用できます。
術後早期は布ヤウレタン製の柔らかいもの、傷や肌の調子が落ち着いたら左右のバランスをとるためある程度重さのあるシリコン製のものがあります。

■ エピテーゼ(人工乳房)は乳房の形をしており、見た目がよくやさわり心地なども柔らかい。直接肌に張り付けて使用し、これまで使用していた下着を使用し、通勤なども可能です。
ブラジャーをして使うことを前提としたもの、温泉にも入れるが使用前後にリムーバーと拙宅材を使用するタイプ、これまで使用していた下着にポケットを縫い付けてくれるメーカーなどがあります。オーダーメイドと既製品があります。

■ 国立がん研究センターがん情報サービスのホームページでお近くの人工乳房の製作販売店の一覧を紹介しています。

乳房切除後は好きだった温泉やプールに行けなくなりますか?

■ 少しづつ工夫し、いままで好きだったことや続けてきたことを再開していきましょう。

【プールでの工夫】
乳がんの手術後の専用の水着があります。
一般の水着でもデザインによっては十分利用できます。

【温泉での工夫】
家族風呂や露天風呂付個室などのある施設で周りに気を遣わずゆっくり浸かることができます。
次のステップではほかの客が入らない時間帯を選ぶ、施設や宿の人から情報収集を行う、普通のタオルでさりげなく前を隠す、一緒に行く人協力してもらい、盾になってもらうなどで実際に温泉を楽しまれている乳がん患者さんがいます。

乳がんの手術を受けました。リンパ浮腫になりますか?

■ わきの下のリンパ節の切除をしていたり、放射線治療を受けた際、受けた側の腕にリンパ浮腫が起こることがあります。
リンパの流れが滞ることでむくみますが、治療直後から出現することもあれば、10年以上たって出現する場合もあります。
■ 一度発症すると治療が難しいため、予防と早期発見が大切です。初めは肘の上下が腫れてくる、上腕の内側が白っぽくなるなどの症状があります。早めに主治医に相談しましょう。
■ リンパ浮腫には専門の外来などで治療が必要な場合があります。

【予防について】
・手術した側で重い荷物をなるべく持たない
・腕を締め付ける衣服を避ける
・虫刺されやケガに注意し、洗浄、消毒しても炎症や腫れるなど感染を起こした場合は病院を受診する。