藤田医科大学 がん医療研究センター

がんゲノム医療外来

がん遺伝子パネル検査とは、患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得るために一度に複数の遺伝子変化を調べる、最新の解析技術を用いた検査方法です。

がん遺伝子パネル検査

がんゲノム医療外来について

遺伝子とは

遺伝子とは人間の身体をつくる設計図に相当するもので、ヒトには約2万個の遺伝子があると考えられています。人間の身体は、約60兆個の細胞と呼ばれる基本単位からなっていますが、この細胞の核及びミトコンドリアと呼ばれる部分に遺伝子の実体となる物質であるDNAが存在しています。人間の身体は、この遺伝子の指令に基づいてつくられ、維持されています。
「遺伝」という言葉は、「親の体質が子に伝わること」を言います。ここでいう「体質」の中には、顔かたち、体つきのほか、性格、病気に対するかかりやすさ、薬の効き目や副作用の出方反応なども含まれます。これらのように、ある人がもつ様々な特徴がつくられるには、親から伝えられた遺伝と生まれ育った環境が、お互いに影響しながら作用していると考えられています。「遺伝」という言葉に「子」という字が付いて「遺伝子」となりますと、「遺伝を決定する小単位」という科学的な言葉になります。人間の場合、約2万個の遺伝子が働いていますが、その本体は「DNA」という物質です。「DNA」は、A、T、G、Cという四つの印(塩基)の連続した鎖です。この印は、一つの細胞の中に約30億個ありますが、その印がいくつかつながって遺伝子をつくっております。印のつながる順番は個々の遺伝子により決まっています。一つの細胞の中には約2万個の遺伝子が散らばって存在しています。これらの遺伝情報を総称して「ゲノム」という言葉で表現されます。人間の体は、60兆個の細胞から成り立っていますが、すべての細胞が同じ遺伝子のセットを保有しています。
遺伝子には二つの重要な働きがあります。一つは、遺伝子が精密な「人体の設計図」であるという点です。受精した一つの細胞は、分裂を繰り返して増え、一個一個の細胞が、「これは目の細胞」、「これは腸の細胞」とその運命が決まりながら、最終的には60 兆個まで増えて人体を形づくりますが、その設計図はすべて遺伝子に含まれています。二つめの重要な役割は「種の保存」です。両親から子供が生まれるのもやはり遺伝子の働きです。人類の先祖ができてから現在まで「人間」という種が保存されてきたのは、遺伝子の働きによっています。

遺伝子と病気

こうした非常に大事な役割を持つ遺伝子の違いが、ある人がある病気にかかりやすいかどうかに影響を与えます。この「遺伝子が病気のかかりやすさに与える影響」は、非常に強い影響のものから、ごく弱い影響まで様々です。多くの病気では後でお話し申し上げますように、遺伝子の影響だけで病気になってしまうわけではなく、遺伝子と環境との両方が働いて病気が生じると考えられています。また、ある遺伝子に生まれつき違いがある場合には、その違いが子、孫へと伝わっていき、それに伴って病気のかかりやすさも、子や孫に伝っていく可能性があります。
このように説明いたしますと、遺伝子の変化が必ず病気を引き起こすと思われるかもしれません。しかし、実際のところ、遺伝子の変化が病気を引き起こすことは、むしろまれなことと考えられています。たとえば、一人一人の顔や指紋が違っているのと同じように人によって生まれつき遺伝子に違いが見られ、その大部分は病気との直接の関わりがないことがわかってきました。また、人体を形づくる60兆個の細胞では頻繁に遺伝子の変化が起きていますが、そのほとんどは病気との関わりがありません。遺伝子の変化のうち、ごく一部の変化だけが病気のかかりやすさに影響を与えていると考えられています。
ほとんどの病気は、その人がもって生まれた体質(遺伝素因と言います)と、病原体又は生活習慣などの影響(環境因子と言います)の両者が組合わさって起こります。遺伝素因と環境因子のいずれか一方が病気の発症に強く影響しているものもあれば、がんや動脈硬化などのように、両者が複雑にからみ合って生じるものもあります。遺伝素因は遺伝子の違いに基づくものですが、遺伝子の違いがあればいつでも病気になるわけではなく、環境因子が重要な役割を果たしている場合もあります。また、病気を引き起こす環境因子への反応の違いが遺伝子の性質によって決まることも多く、一見遺伝しないようにみえる多くの病気が遺伝子の違いによって引き起こされることも分かってきています。

がんと遺伝子

あなたのがんの性質や状態等を知るために、がん組織における遺伝子の変異を調べることが有用である可能性があります。ある正常な細胞の遺伝子に、いろいろな異常( 変異) が起こることによって、正常な細胞ががん細胞に変化してしまうことが知られています。がん細胞の有する遺伝子の異常の違いによって、がんの性質や抗がん剤の効き方に差が現れるのではないかと考えられています。例えば、細胞を増やすための信号に関係している遺伝子に異常が起き、細胞を増やすための信号が無制限に送られるようになることにより、細胞が増え続けることが、がん化の原因となっている場合があります。このような場合、どこに遺伝子の異常があるかを調べ、異常な遺伝子から送られている信号を特異的に阻害する薬を投与することができれば、非常に効果的ながんの治療ができる可能性があります。もっとも、そのような信号を阻害する薬を投与しても、その薬の効果を上回るような遺伝子の異常がある場合には、十分な効果が得られないということもあります。

がんゲノムパネル検査の限界

なお、がんに関わる遺伝子の変異については、まだ分かっていないものも数多く存在するため、この検査を受けていただいても有用な情報が得られないこともあります。
さらに、この検査の精度は、検体の状態により左右されることがあるほか、検査方法の技術的な限界もありますので、得られた検査結果の正確性が保証されるものではありません。また、検査の性格上、一部の遺伝子について検査結果を得ることができず、その遺伝子の検査結果をお返しできない場合もあります。

がんゲノム医療外来

 
午前 住友誠
泌尿器科
10-12時
    澤木明
臨床腫瘍科
冨田章裕
血液内科
午後 松岡宏
消化器外科
魚津桜子
呼吸器内科
河田健司
臨床腫瘍科
14-16時
市川亮子
産婦人科
14-16時
河田健司
臨床腫瘍科

魚津桜子
呼吸器内科

がんゲノムパネル検査フローチャート

がんゲノムパネル検査フローチャート

がんゲノムパネル検査の費用について

  検査名 2019.3-5末 2019.6~
通常のパネル検査 NCCオンコパネル
(114の遺伝子検査)
自費混合診療
771,120円
近日中に開始予定
保険診療
Foundation One
(324の遺伝子検査)
保険診療
自由診療
重要な遺伝子検査のみに
検査数をセレクトした
パネル検査
P-5
(52の遺伝子検査)
自由診療(現在行っている) 479,900円
リキッドバイオプシー Guardant360
(73の遺伝子検査)
自由診療 35万+α
(臨床倫理委員会提出中)

※変更することがありますので、詳細はお問い合わせください