藤田医科大学 腫瘍医学研究センター

「慢性活動性EBV感染症(CAEBV)」という稀少ながんの原因を解明!

慢性活動性EBV感染症(CAEBV)というEBウイルスが感染して起こる稀少ながんがあります。我々はこのがんについて大規模なゲノム解析を行い、この疾患の発症メカニズムを世界に先駆けて解明し、権威ある学術誌に発表しました。
(https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000001z7d.html)
図1は、腫瘍の体細胞ドライバー変異の蓄積によって、病態が重症化している様子を明確に示した図です。また、ウイルスの配列を解析した結果、ウイルスゲノムの一部、特にBARTと呼ばれる領域が欠損したウイルスが、がんで多く見つかってきました(図2)。
これまでEBウイルス陽性がんではこのようなウイルスゲノムの欠失は全く知られておらず、世界初の成果となっています。

図1.CAEBVでは体細胞変異の蓄積が病態と深く関連していることを解明した。

図2.CAEBVやENKL、DLBCLというがんに感染しているウイルスは、特にBARTと呼ばれる領域に欠失を有するものが多く見られた。

Okuno et al.,Nat Microbiol.2019より改