ある種のがん細胞には高頻度にEBウイルスが感染している。び漫性大細胞型B細胞リンパ腫（DLBCL）などの検体に感染しているEBウイルスの配列を次世代シークエンサーで解析したところ、ウイルスのCpと呼ばれる領域に欠損を有するウイルスが見つかった。DLBCLで同定したのと同じ欠損を人工的に導入したウイルスを作成し、初代B細胞に感染させて細胞レベル、マウスレベルでその性状解析を行ったところ、Cp欠損を有するウイルスは野生型のウイルスよりも高い腫瘍原性を示した。
Mabuchi et al., Cancers. 2021より改
図１.
DLBCL検体で検出されたのと同じ欠損を人工的に導入したEBウイルスを作成し、マウスゼノグラフトモデルの系で初代B細胞に感染させてその性状を解析した。Cp欠損を有するウイルス（dCp）は野生型ウイルス（WT）に比べ、生存期間が短縮し（A）、体重は減少し（B）、高度な腫瘍細胞の浸潤が見られた（C,D）。
DLBCL検体で検出されたのと同じ欠損を人工的に導入したEBウイルスを作成し、マウスゼノグラフトモデルの系で初代B細胞に感染させてその性状を解析した。Cp欠損を有するウイルス（dCp）は野生型ウイルス（WT）に比べ、生存期間が短縮し（A）、体重は減少し（B）、高度な腫瘍細胞の浸潤が見られた（C,D）。